AIにデザインブリーフを渡してLP制作した話

デザインブリーフを言語化し、Claude Code にLP制作を依頼。アートディレクションをAIに伝える方法と、実際のワークフロー

「いい感じに作って」では伝わらない

LP のデザインを Claude Code に依頼するとき、「かっこいい感じで」「モダンな雰囲気で」と言っても、出てくるのは「AIっぽいデフォルト」。紫のグラデーション、均等3カラム、よく見るレイアウト。

アートディレクションを AI に伝えるには、「デザインブリーフ」を書く必要がありました。

デザインブリーフとは

制作の方向性を言語化した設計書です。通常はクリエイティブチームに共有するもの。これを Claude Code 向けに書きました。

含めた内容:

  • ページの目的 — 誰に、何を、どう伝えるか
  • メッセージ — 全体を貫くキーメッセージ
  • セクション構成 — 各セクションの役割と主役要素
  • 視覚文法 — セクションごとのビジュアルの方向性
  • 配色の方針 — ダーク/ライトの切り替えリズム
  • タイポグラフィ — 見出しと本文の使い分け

視覚文法という考え方

今回のブリーフで特に効果的だったのは、セクションごとに「視覚文法」を定義したこと。

たとえば、あるセクションは「求心」——情報を中央に集約するレイアウト。別のセクションは「循環」——要素が変換・流動するイメージ。また別のセクションは「遠心」——中心から外に広がる展開。

抽象的に聞こえますが、Claude Code はこの指示をかなり正確に解釈してくれました。「求心」と書くと要素が中央に寄り、「遠心」と書くとカードが放射状に配置される。

明暗リズムの設計

LP全体の背景色の切り替えも設計しました。

Dark → Light → Light → Dark → Light → Dark → Dark

上から下に読み進める中で、ダークセクションが2回ピークを作る「二峰構造」。単調にならず、読者の注意を引き戻す効果を狙いました。

実際のワークフロー

Phase 1:情報設計(人間)

ページの目的、構成、主役セクションを人間が決定。入力資料を3層に分離しました。

  • コンテンツソース — テキスト原稿、数値データ
  • 情報設計 — 構成、導線、ストーリー
  • ビジュアル方向 — トーン、参考サイト、NG 事項

この分離が重要でした。全部をまとめて渡すと、Claude Code がどこを参照すべきか迷います。

Phase 2:方針の固定

CLAUDE.md(プロジェクトの方針ファイル)にデザインの方向性を記載。触ってはいけないファイル、参照すべきデザイントークン、配色ルールを明文化。

これにより、セッションをまたいでも方針がブレなくなります。

Phase 3:HTML プレビュー

WordPress に直接実装する前に、単体の HTML ファイルとしてデザインカンプを生成。ブラウザで開くだけで確認できるので、イテレーションが速い。

Phase 4:レビュー3ラウンド

  1. 構造レビュー — セクションの順序、情報の過不足
  2. ビジュアル調整 — 配色、タイポグラフィの詳細
  3. 参考サイトの適用 — 具体的なビジュアルリファレンスを渡して精度を上げる

うまくいったこと

  • CLAUDE.md で方針を固定するとブレない — 毎回指示しなくても一貫性を保てる
  • HTML プレビューを挟むと安全 — 本番環境を壊すリスクがない
  • 改善指示は3点に絞る — 一度に大量の修正を依頼すると、別の箇所が崩れる

うまくいかなかったこと

  • リファレンスの役割を明示しないと混乱する — 「この参考サイトの色を使って」なのか「レイアウトを参考に」なのか、具体的に伝える必要がある
  • コンテンツの正確性は AI に任せない — 数値や固有名詞は必ず人間が確認
  • 指示は小分けにする — セクション単位で依頼した方が精度が高い

デザインブリーフを書く意味

デザインブリーフは、本来は人間のチームに共有するもの。でも、AI に渡すために書くことで、自分自身のアートディレクションが言語化され、整理されました。

「なんとなくいい感じ」を分解して言葉にする。そのプロセス自体が、デザインの質を上げてくれる。AI が相手だからこそ、曖昧さが許されない分、思考が鍛えられます。